先日発売されたメトロエクソダス、とりあえずストーリークリアしました。
なのでその感想を。
全体のボリューム
ボリュームは結構短め。1周目はそれなりに探索や会話はしていたのですが、それでも30時間ぐらいでしょうか?
探索もほどほどに、ストーリーだけ追うのであれば20時間もかからないと思います。
なので、ボリュームの面だけでいえば、やや物足りないと言ったところでしょうか。
どちらかと言えば「どういうプレイをしていくか」ということを突き詰めるゲームのような気がしました。
FalloutシリーズやRDRのような感じですね。これらのタイトルほど自由度はないのですが、プレイヤーがとる行動によって物語の進み方が変わっていくタイプ。
ストーリークリア後の感想
ラストは結構胸に来るものがありました。ストーリーとしてはかなり王道モノ。
荒廃した世界で懸命に生きていくサバイバル要素、法が無くなった世界における生殺与奪、外に出た一蓮托生の仲間達との旅とトラブルなどがこの世界観の中にうまく落とし込まれており、非常に没入できたゲームでした。いい意味でも悪い意味でも「人類の営み」がそこにはあり、それを受け入れ、また変わっていく、あるいは変わらずにいることも人間なのだと。
世界観やドラマを重視しているゲームのように思えるので、基本的にはストーリーを楽しむゲームのように思えます。
また、ストーリーを進めるごとに、主人公の語りが更新されるのですが、それがなんとも「伝記」になっているような印象を受けます。
ゲーム中では「各地に残された日記」を収集する要素があるのでが、主人公もまた同じように日記を綴っているので、プレイヤーとして参加しつつ、また物語の聞き手(読み手)としてのプレイヤーの立ち位置というのもあるのかな、と。
各チャプターでは特定のエリアを探索することができ、そこに登場する人たちはそれぞれの論理で生活を送ってきていますが、主人公らが出てきたことによって”彼らにとっての安寧”が破壊された様に見えたチャプターもあったし、主人公らが来たことによって救われた命もある、というように主人公側が完全に肯定できるか、というのはプレイヤーの見方次第なところもあります。
また、法以前の世界に戻ったことによって「超論理的ものに縋る」ことや「統率者と階級」や「集団内の対立・不調和」というものは前時代的ではなく、原初的に発生しうるものなのでは、と考えるようになりました。
流動的である一方、ぶつ切りのチャプター同士ではありますが、物語全体に通っている筋は一貫して同じものである、という確信はあります。
楽しいというか、良いゲームでしたよ。
気になったところ
足場系の判定は最後まで慣れませんでしたね。オートセーブの感覚が短いことと、疑似的なオープンワールドになってるせいで、「抜け出せない足場」にハマるとやり直しになってしまう恐れがあることだけは注意してました。
ストーリー進めるときに「あの」とかの指示語が分かりづらいとか、あとは乗り物面ですかね。ボートはかなり遅いし、車はグワングワン揺れるしそこはストレスでしたね。
それ以外は特に気になるところはありませんでした。バグにも遭遇しなかったし、探索すればとりあえずの素材は確保できるし、死体からも素材回収できるしでそこは難易度でも調整可能だしで、割と敷居は低いゲームのような気がします。でも虫苦手な人はきついかも?今電撃で女性が実況プレイやってるのですが、人間以外の敵が出てきたときどう反応するのか少し気になりますね。
オススメできるか?
ということで僕はオススメできます。
よく言われているのが「最近の新設設計のゲームと真逆の設計」ということですね。
Falloutのように「さあ自由に行動してください」というプレイではなくちゃんとストーリーがあるのでそれに沿って行動していくのですが、目的はかなり大雑把。プレイ中でも「え、これからどうするの」という点は多々ありました。目的と目的以外の選択はプレイヤーに委ねられており、それもまた世界観の把握に寄与している構造になっています。
僕はCODWW2のキャンペーンもプレイ済みですが、全体的な感覚としてはそれに近かったです。
グラフィック面で大自然が映えるゲームですが、フォーカスされているのは人間の営みなのでそこに何を感じるか、という点こそがこのゲームの醍醐味なんじゃないかなあと思いました。
僕はトロコンも興味ないし縛りプレイも興味ないのでやっぱりボリュームはちょっと物足りない感じはしましたが、濃いゲームだったので概ね満足です。